ブロックチェーンで「データ通信」の安全性確保、NASAが航空管制業務への活用を検討

アメリカ航空宇宙局(NASA)は「航空機の情報」や「フライトに関するデータ」を送信する際の”セキュリティ”や”プライバシー”を確保するための方法として、ブロックチェーン技術の活用を検討されています。

2019年1月10日に公開された論文には、これらのテクノロジーを用いたシステムについての詳しい解説が記されており、試作段階のシステムとして「Hyper ledger Fabric」を採用していることなどが書かれています。

許可型ブロックチェーン「Hyperledger Fabric」採用

アメリカ連邦航空局(FAA)は、2020年1月1日から「自動従属監視システム(ADS-B)」と呼ばれる新しい監視システムを使用することを義務付けています。

このシステムは「位置情報や高度などといった航空機に関する様々な情報を放送するシステム」となっているものの、航空機が位置情報を発信した際に「第三者による”なりすまし”の対象」となることがあるため”セキュリティ”や”プライバシー”などの問題を解決する必要がありました。

アメリカ航空宇宙局(NASA)は、このような問題の解決策として「ブロックチェーン技術」を活用することを提案されており、セキュリティを高めつつ、非公開、匿名で通信を行うためにオープンソースの「許可型ブロックチェーン」を採用すると説明しています。

提案されているシステムの特徴としては『許可された航空機とメンバーの通信を安全に行い、認証局(CA)やスマートコントラクトをサポートする機密情報用の高帯域幅通信チャネル』だと説明されており、試作段階のシステムでは「Linux財団」が提供する「Hyperledger Fabric」を採用していると説明されています。

実用的な「セキュリティとプライバシー」を実現

「セキュリティ」や「プライバシー」などの問題に対する対策としては「暗号化技術」が挙げられていましたが、この解決策には「飛行中の航空機が利用できるように”公開鍵”の枠組みを実装することが困難である」といった問題がありました。

新しく提案されたシステムは、軽度にプライバシーが保たれている「許可型ブロックチェーン」を採用しているため、現在提供されているものと”同レベル”もしくは”それ以上”の「セキュリティ」と「プライバシー」を実現することができると説明されています。

具体的には、高度・指示対気速度・機首方位などといった”航空機の状態”を示す情報は「プライベートチャンネル」を介すことによって安全性が保たれるようになっており、航空機の種類・出発地・目的地・提出された経路などの”飛行計画”を示す情報は「公開チャンネル」で許可されたメンバーだけに公開できるようになっています。

このブロックチェーンソリューションは、航空機への応用にも適した「実用的な解決策」になると説明されており、課題とされてきた多くの問題を解決できると期待されています。

NASAはブロックチェーン技術の活用に以前から取り組んでおり、2017年には人間の介入を必要とせずにブロックチェーン技術を使って意思決定を行うことができる「自律宇宙船システム」の開発を支援するために、オハイオ州アクロン大学に対して330,000ドル(約3,630万円)の助成金を授与しています。

航空宇宙業界を代表する「NASA」が取り組むブロックチェーンプロジェクトは今後も世界から注目を集め続けていくことでしょう。

beepnow team

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