不動産業界の「全てを変える」ブロックチェーン

 ブロックチェーンが牽引するイノベーションの最も成熟した事例としては、銀行・金融サービスや、サイバーセキュリティなどの分野が挙げられます。

また、サプライチェーン管理や、保険、医療の分野でも、実現可能なソリューションが作られてきました。

 

一方で不動産業界の商慣習は不透明になりがちで、顧客の利益を最優先にするよりも自己防衛に走る傾向が強いためなのかもしれません。

しかし、ブロックチェーンを利用すれば、確立されたプロセスの拡張や効率向上はもとより、法律改正による後押しがあれば、住宅をより手頃な価格で入居しやすくなる新たなモデルを実現できる可能性があります。

 

透明性の高い取引

 一般的な宅地販売では、少なくとも8組の関係者が取引に関わります。

土地登記所、買主と売主、それぞれの弁護士と住宅ローンの貸主、住宅ローンの査定者、不動産業者です。それは、他の買主や売主が関与しない非チェーン型の取引であると考えることができます。

このようなプロセスでは、トランザクションを次の段階に進めるときに、さまざまな関係者が、誰が何をすべきかを理解しなければならず、処理が必要以上に長引くことがあります。

ブロックチェーンであれば、このプロセスの透明性を高めることができます。

その結果、あらゆる面で信頼性が高まり、複雑な手続きが減ることになります。

 また、契約が自動執行される「スマートコントラクト」なら、取引仲介業者からの譲渡対価の送金と決済が行われる前に、または、銀行への返済や、何らかの所有権の譲渡が行われる前に、必要な処理がすべて実行されるようにすることもできます。

さらに、ブロックチェーンが持つ分散型特性によって、単一の「信頼できる情報源」(通常は弁護士)の必要がなくなり、信頼性の向上、コスト削減、取引が円滑になっていきます。

買主と売主が、処理すべき内容をより明確に理解して承認できるようになれば、仲介的役割の一部が不要になるだけでなく、そのすべてがなくなることも想像できます。そうなれば、処理を進めるうえで仲介人が必要なくなる可能性があることがわかります。

 

財産権の明確化と資本の解放

 ブロックチェーンが不動産業界にもたらす最大のメリットは、おそらく、一元管理された土地登記システムがない国や、土地の登記が不正のリスクにさらされていたり信頼性がきわめて低い国であっても、財産所有権が確立できることだと考えられます。

 

不動産において、明確かつ不変的に所有権を主張できる権利証を持つことは、きわめて重要といえます。その結果として抵当貸付が実現し、経済のエコシステムに対して膨大な資本を解放することが可能となるからです。

ブロックチェーンは、それが分散型の台帳であるという特性によって強力な抑制と均衡が働くため、行政組織の信頼性が低い市場での経済開発を推進する上で最適なソリューションなのです。この分野では、スウェーデンのスタートアップであるクロマウェイが対応を進めており、同国の土地登記所の協力を得て試験運用を始めています。

 

 住宅所有のしくみや、より広範な不動産業界における大きな変化が、破壊的改革者を意味するディスラプター的な企業の力だけで達成されるとは考えられません。

安全かつ確実に新しい所有モデルの導入を促すテクノロジーを採用するには、法律の改正も必要があります。そして、そのメリットを広めさせるには、ブロックチェーンイノベーターと業界の既存企業との連携が不可欠になります。

住宅の価格が高すぎて購入できない世代に関する懸念が西洋諸国で高まる中で、不動産を誰もが手の届くもの変える可能性を持ったブロックチェーンには、たくさん注目が集まるに間違いありません。

beepnow team

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